エンゲージメントが上がることのメリットについて教えてください
厚生労働省の「働きがい」を持って働くことのできる環境の実現に向けて、という資料には、エンゲージメントが高まると「離職率の低下、定着率の向上」、「仕事のパフォーマンスの向上」、「組織コミットメントの向上」、「仕事の革新性・創造性の向上」、「健康増進」のメリットがあると記載されています。
この5つについて、これから解説していきます。
- 離職率の低下、定着率の向上
- 仕事のパフォーマンスの向上
- 組織コミットメントの向上
- 仕事の革新性・創造性の向上
- 健康増進
1. 離職率の低下、定着率の向上
従業員エンゲージメントが向上すると、従業員が働きやすさや仕事へのやりがいなどを感じている状態になります。従業員は長く働きたいと考えるために、離職率が低下し、定着率も向上します。
ぬるま湯のような、仕事への意識が低い状態でも離職率の低下が起こる場合がありますが、ぬるま湯職場では次に述べる「仕事のパフォーマンスの向上」は得られません。
2. 仕事のパフォーマンスの向上
従業員エンゲージメントが高い状態では、従業員が働きやすさを感じていることや、従業員同士のコミュニケーションが十分に取れており人間関係が良好です。そのため従業員が上司や他の仲間からのフィードバックを受け入れ、成長しようとする意欲が強いです。
定期的な評価やコーチングが、従業員が自身のスキルや能力を向上させる方向に働くことから、結果として仕事のパフォーマンスの向上が期待されます。
3. 組織コミットメントの向上
従業員が組織のビジョンや未来の展望に共感することで、組織に対する長期的なコミットメントが生まれます。
そこに従業員エンゲージメントが高い状態が加わると組織と共に成長し、発展することへの期待感や会社への帰属感が生まれていき、組織へのコミットメントをより高めます。他にも従業員が組織の目標や価値観に共感し、自身の存在価値を強く感じることでパフォーマンスが向上し、組織への献身度も向上します。
4. 仕事の革新性・創造性の向上
エンゲージメントが高まると、仕事へのやりがいを感じている状態なため、社員は与えられた仕事以上に自主的に仕事へ取り組む傾向があります。生産性の向上に寄与することはもちろん、これが革新性や創造性を引き出し、新しい企画のアイディアやプロセスの導入を促進します。そうすることで組織にとどまらず会社全体の大きな成長が期待されます。
5. 健康増進
従業員エンゲージメントの高い職場で働く従業員は現状に満足しており、仕事に対するモチベーションや集中力も高い状態にあるため、ストレスの原因が減少しています。前向きな姿勢で仕事に取り組むことができることから、従業員のメンタルヘルスの不調が起こる可能性は低いといえます。従業員の健康促進は、休職や離職の防止に強い影響を与える上、生産性向上や健康経営にも寄与します。